大阪と雪

2023年に入ってすぐ、10年に1度ほどの強烈な大寒波が日本で猛威を振るいました。全国的にいろんな箇所で大雪が降り、学校は休校になったり、電車も運転見合わせになったりと大きな影響を与えました。
その中でもほぼ影響を受けなかったのが大阪市です。雪は降りましたが、ほぼ積もることはなく、JR西日本の各線が運転見合わせを決定した中で、大阪市内を走る大阪環状線のみ遅延はしているものの動いていました。その影響の少なさからSNSでは「大阪市にはバリアが張られているのか?」と話題に。なぜ大阪市はこんなにも積雪が少ないのでしょうか。

大阪市で雪が降らない理由

大阪で雪が降らない理由はいくつかあり、基本的には冬型の気圧配置の際に日本海側から流れ込む雪雲が大阪市の手前で消えてしまうことが多いからです。
よほど強いものであれば消えずに流れ込むことはありますが、それでも積もらせるほどの雪雲ではありせん。
他に考えられる理由としては、市内に目立った標高の高い場所が存在せず、大阪湾からの温暖な気流の影響が受けやすく雪が溶けてしまい、降るときには雨になってしまうからという理由も考えられます。

最後に大阪市内に10cm以上雪が積もったのはいつ?

気象庁が統計を出している1901年から2023年2月まで、雪が10cm以上積もった日はわずか9回しかなく、1990年2月1日の11cmを最後にここ30年ほどは10cm以上の積雪は観測されていません。あれだけ世間を賑わせた大寒波の日も市内は道路脇に少し雪があったくらいで、地面が白くなるということもありませんでした。

大阪市内で1番雪が積もった日

気象庁のデータの中に大阪府内で1番雪が積もった日も記録されており、それが1907年2月1日の18cmです。1901年から120年ほど統計を取っているはずなのに20cm以上の積雪がこの120年間観測されていないというのが、どれだけ大阪市内が雪の積もらない地域なのかということを物語っています。

ご紹介したように大阪市内は本当に雪が積もりません。そのため大阪市内で除雪車を見かけることはまずありません。大阪府全体で見ても生活に支障が出るほどの積雪が観測される地域は少ないので、大阪府民に除雪車を描いて、と紙とペンを渡せばかなり曖昧な除雪車の絵が完成することでしょう。
次に積雪を10cm以上記録する日はいったいいつになるのでしょうか。もし積もったら大きな雪だるまなど作ってみたいですね。