大阪と言えばお笑い、エンタメというイメージが強いと思いますが、音楽もエンタメ。
大阪出身で活躍しているアーティストは非常に多いです。
普段はお笑いの陰に隠れがちな大阪の音楽文化について少し触れていこうと思います。
郷土の音楽から少し遡ってみましょう。
河内音頭(かわちおんど)という音楽文化は、河内地方と呼ばれていた大阪府東部にある地域の民謡です。当時の事件、出来事、伝記などの物語を曲に乗せ、語る芸能とされています。
夏、仏を供養するために行われる盆踊りのために唄われたのが始まりとされ、およそ600年もの歴史があります。年代を経るにつれ、浪曲など別の芸能の手法を応用したり、ギターやキーボードを部分的に導入するなどの工夫により、現代感覚に合わせて躍動的・リズム感のある芸能として成長してきました。
河内音頭は、曲全体を「一曲」と呼ばず「一席」と呼びます。この一席は「前口上」から始まり「枕」「本題」「結び口上」で終わりとなります。
一節の上の句が終われば「アーイヤコラセー ドッコイセ」と、下の句が終われば「ソーラーヨイトコサッサノヨイヤサッサ」とはやし方や踊り子が入れます。河内音頭は現代ではポップではないかもしれませんが、後者のはやしは有名な曲に取り入れられてたりして、どこかで聞き覚えがあるかもしれませんね…。
郷土の音楽文化はもちろん河内音頭だけではありません。天神ばやしや催太鼓、様々です。振り返りはこのくらいにして、最近の話をしましょう。
「『大阪の音楽』を確立させたアーティスト」として考えれば、正直世代によってもそうですがいろんな人達が出てきます。「やしきたかじん」をはじめ、「aiko」「絢香」「関ジャニ∞」とかとか。関ジャニ∞って大阪のイメージ強いと思いますが、メンバーのうち2人が大阪出身ではないんですよね。ただ大阪をテーマにした楽曲の存在や活動を考え名前を出させていただきました。先ほどの河内音頭で出てきた「ソーラーヨイトコサッサノヨイヤサッサ」なんて歌詞というか掛け声、私的に正直関ジャニ∞でしか聞いたことがありません。
今もいろんな人が大阪出身のアーティストとして全国、時には世界で活躍しています。表立って「大阪です!」と言っていないだけで実は大阪出身だったアーティストって、体感結構多いと思うんですよね。芸能文化がさかんな大阪なのでいろんなアーティストを輩出するわけで、全員を「この人大阪です!」なんて取り上げてたらキリありません。
でも、アーティストの口から時折出てきたり、歌詞に取り入れられたりする聞き覚えのあるニュアンス「関西弁」って、なんかすごい安心感がありますよね。私が大阪で生まれ育ったからでしょうか。大阪から発信された音楽は、そんな不思議な力があると思います。